過敏性腸症候群とは、精神的なストレスや自律神経バランスの乱れなどによって腸のはたらきに異常が生じ、便秘や下痢など排便の異常と、腹痛を引き起こす病気です。
過敏性腸症候群になりやすい人は?
20代女性や30代・40代の働き盛りの世代に多い傾向との報告があります。
胃腸炎が治った後に、この病気の発症率が6~7倍増加すると最近注目されています。
過敏性腸症候群の原因
はっきりとした原因は不明ですが、内臓神経が過敏になるようなストレス、暴飲暴食、不規則な生活が一因であると報告もあります。
一方、近年、胃腸炎後に過敏性腸症候群になりやすいことがわかってきました。
どんな症状?
過敏性腸症候群は、腹痛を伴う便異常(便秘、下痢、またはその両方)が続きます。
腹痛は必ずある症状です。
- 便秘では、ウサギの便のようなコロコロした便の形が多いです。
- 腹痛は、排便によって症状が軽快します。
- お腹が鳴る、ガスがしょっちゅう出るのも典型的な症状です。
- 倦怠感、不眠、頭痛、頻尿、動悸などをともなうこともあります。
- 体重変化、血便はなく、寝ている時の排便はありません。
- 症状は加齢とともに軽快します。
過敏性腸症候群の種類
症状から、「慢性下痢型」、「不安定型」、「分泌型」の3つに大きく分けられます。
慢性下痢型
ちょっとした緊張や不安があると、便意が出現し、下痢の症状がでます。
不安定型
腹痛やお腹の不快感とともに下痢や便秘を数日繰り返します。
このタイプの便秘はお腹が張ったり、お腹が苦しくなったりします。
排便したにもかかわらず出ない、また出ても少ししか便が出ないことが多いです。
分泌型
強い腹痛が続いた後に大量の便がでます。
近年、注目されている大きな合併症
過敏性腸症候群になると、下のような病気に移行する、合併頻度が高まるとされています。
- 潰瘍性大腸炎に移行する場合があります。
- 胃食道逆流症、機能性ディスペプシアのリスクが高まります。
- 線維筋痛症が隠れていることがあります。
ただの便秘、下痢と放置せず、症状が続く場合は、ご相談ください。
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。