慢性便秘症ガイドライン(2017)によると、便秘とは、「本来体外に排出すべき便を十分かつ快適に排出できていない状態」と定義されています。
一般的に、3日以上便通がない場合には、便秘を疑った方が良いです。
便秘の患者さんは年々増加傾向にあり、現在、便秘の症状で悩んでいる方は600万人、自覚のない方を含めると1000万人の患者さんがいるとされています。
便秘で腸(消化管)の病気や全身の病気が発見されることもあります。
消化管の病気でなる便秘
- 大腸がん
がんで腸が狭くなって便が通過しにくくなります。 - クローン病
腸が炎症を起こして狭くなり、便が通過しにくくなります。 - 腸閉塞
食物が腸のどこか途中で止まって障害された状態で、肛門まで便がきません。 - 過敏性腸症候群
腸には異常はありませんが、ストレスなどで便通異常を起こします。
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全身の病気が原因の便秘
- 甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌量が少なく、腸が動きにくいためです。 - 糖尿病
糖尿病神経障害によって腸が動きにくくなります。 - パーキンソン病
病気によって、腸運動を行う自律神経が障害されて便秘になります。 - がん
がん細胞(肺がんなど)は異常ホルモンを分泌して血液中のカルシウムが高くなります。
血液中のカルシウムが高くなると腸の動きを弱くします。 - 心不全
腸がむくんで動きも弱くなるため便秘になりやすいです。 - 婦人科疾患
卵巣や子宮が腫瘍などで大きくなり、腸を圧迫して便の通りを悪くします。 - うつ病
腸を動かすセロトニンの分泌異常が起こりやすく、腸が動きにくくなります。 - お薬の副作用
痛み止めの麻薬や吐き気止めなどは、腸の動きを低下させます。
これら以外も多くの原因があります。
症状が続いている場合は注意
便秘の原因の多くは、加齢、生活スタイルや環境の変化、ストレスなどですが、上のような病気が隠れていることもあるので、ただの便秘で済ませないことが大切です。
特に症状が3ヶ月以上続いている場合は、注意が必要です。
十分な睡眠とバランスの取れた食事で便秘を予防しましょう
便秘を予防するには、適度な運動やバランスの取れた食生活などが大切になってきます。
便秘を放置すると、さらに悪化してしまう場合もあります。
まずは、生活習慣を見直し、以下の点を心がけた健康的な腸生活を送るようにしましょう。
- 食物繊維の多い食品や発酵食品を食事に取り入れましょう
- 腸を刺激する運動(ウォーキング・水泳・ヨガなど)をしましょう
- 決まった時間にトイレに行く習慣づけや、便意をなるべく我慢しないようにしましょう
- ストレスが溜まらないよう、十分な睡眠を取るようにしましょう
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。